この記事では、厚別区への引っ越しを検討されている方に向けて、厚別区の住みよさについて解説してみます。
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厚別区の概要
札幌で最も小さい区
札幌市厚別区は、札幌市10区の中では最も面積の小さい区で、1989年(平成元年)年に白石区から分区して誕生しました。
手稲区とともに、清田区に次いで新しい区で、人口は約12万人です。
緩やかな起伏のある地形
緩やかな起伏のある地形を、厚別川、野津幌川、三里川、小野津幌川といった中小河川が流れており、かつては厚別区山本地区などで洪水被害が発生したことがあるようですが、昭和50年代に厚別川の治水事業が進められました。
古い団地と新しい街が共存
市営住宅の団地群が有名
明治16年の入植以降、畑、水田、牧場などが広がる農業地帯でしたが、昭和30年代に「ひばりが丘団地」、昭和40年代に「もみじ台団地」と大規模な市営住宅の団地造成が行われた経緯もあり、札幌市内でも高齢化が進んだエリアです。
札幌の副都心として開発
しかし、昭和47年の厚別副都心開発基本計画に基づき、都市開発が行われ、JR新札幌駅、地下鉄新さっぽろ駅を中心に新しい市街地が形成され、札幌の副都心としての顔を持つようになりました。
再開発でさらに生まれ変わる
さらに、2016年から2017年にかけて行われた新さっぽろの商業施設の大規模リニューアルや、2019年から着工している駅周辺の再開発などにより、地価が上昇するなど、札幌市内でも特に注目度が高いエリアとなっています。
個性的な各エリア
厚別区は、この新さっぽろエリア(副都心地区)を中心に、JR駅が4つ、地下鉄駅3つ、バスターミナル2つの交通拠点に沿ったエリアのほか、上野幌や厚別西などの住宅街が広がっており、それぞれに個性豊かな環境です。
厚別区は、都市から郊外地域への玄関口
北広島市と江別市と接している
厚別区は、札幌市の最東端で、国道12号沿いの隣町が「江別市」、国道274号沿いの隣町が「北広島市」です。
野幌森林公園が隣接
また、道立自然公園野幌森林公園にも接しており、厚別区は、札幌市から郊外部への玄関口ともいえます。
交通の要衝でありながら郊外地へ行きやすい
厚別区には、JR駅4つや地下鉄駅2つ、バスターミナル2つのほか、高速道路のインターチェンジも2か所あります。
交通の要衝である新札幌エリアを有しながら、一方で、交通渋滞に巻き込まれることなくすぐに北海道の大自然に飛び出せるという好立地。
平日は、札幌市中心部に勤務し、休日は、空知方面、恵庭・千歳方面によくお出かけになる方には、うってつけの場所です。
各種ランキングで上位の住みやすさ
スミタスの「住み心地満足度」ランキングで札幌市内3位
スミタスの「札幌10区 住み心地満足度ランキング」では、厚別区は3位にランキングされています。分区元であり隣接している白市区が10位であるのと対照的ですが、厚別区エリアは、新しく形成された市街地であることから、治安が比較的良いというイメ―ジがあるのかもしれません。
いい部屋ネットの「街の住みここち」ランキングで道内2位
大東建託の「いい部屋ネット街のすみここちランキング2019」では、北海道内の各駅ごとのエリアで、「新札幌」が道内2位にランキングされています。JR駅、地下鉄駅、バスターミナルが一か所にあることから交通利便性が高いことや、商業施設や病院、図書館などの利便施設が集積していることが評価されたようです。
厚別区の治安は?
厚別区は、札幌市内でも治安が良い方だと言われています。
札幌市内の各区ごとの犯罪率などは、ネット上でまとめているWEBサイトが複数あり、これらを参照すると、犯罪率だけでいうと厚別区は清田区や南区とともに、治安が良い区とされています。
新札幌のように駅やターミナルが集積していると、車両内や駅構内などでの痴漢や盗撮といった風俗犯が犯罪率にカウントされますので、単純に犯罪率が居住者の実感とイコールではない面もあります。
一般的に、新しい住宅街は治安が良いとされています。新しい住宅街には家族連れのニューファミリーが移り住むことが多いため、犯罪を犯すような人が少ないといわれています。
2つの拠点エリア
厚別区内には、都市機能が凝縮されているエリアとして、「新札幌駅周辺」と「大谷地駅周辺」があります。
◇JR新札幌駅(千歳線)・地下鉄新さっぽろ駅
札幌の副都心という位置付けて開発されたエリアで、JR駅、地下鉄駅、バスターミナルがあり、駅直結のホテルや商業施設、レジャー施設、医療機関、公共施設などが集積しています。
◇地下鉄大谷地駅
1982年(昭和57年)の地下鉄大谷地駅開通とともに開発され、バスターミナルもあります。地下鉄駅直結のショッピングモールの横にサイクリングロードがあり、高層マンション、一戸建て住宅、アパート、大学がバランスよく立地し、清潔感のある街並みです。
その他の駅周辺(駅チカ)エリア
前記で紹介した拠点エリア以外にも厚別区内には、JR駅と地下鉄駅があります。駅周辺は、どんな特徴があるのでしょうか。
◇JR森林公園駅(函館本線)
新しい街であるため、商店街は発達していません。駅前には高層マンション、少し離れると、キレイな一戸建てが並ぶニュータウンです。
国道12号沿いには郊外型の店舗が林立しています。野幌森林公園の入り口に近いことからこの駅名があります。
◇JR厚別駅(函館本線)
駅の南側は、厚別区内でも歴史が古いエリアですが、新札幌の副都心開発の一方で、このエリアでは古い商業機能の多くは失われ、のんびりとした雰囲気が漂います。新札幌駅も徒歩圏内なので、函館本線と千歳線の両方を使いたい人にはお得なエリアです。
※駅の西側は、「その他のエリア-厚別西エリア」として下の方で説明します。
◇地下鉄ひばりが丘駅
副都心開発が行われる前の商業地の名残がある下町的雰囲気のエリアですが、新さっぽろ駅周辺の再開発の影響を受け地価が上昇し、人気のエリアです。スナックが集積したビルがいくつもあるのも特徴的。
◇JR上野幌駅
国道274号に近い北広島市との境界線付近にあり、徒歩圏内の主な住宅街としては北広島市の虹ヶ丘エリアがあります。
その他のエリア
◇厚別西エリア
JR厚別駅の西側のエリアですが、駅よりも6車線(片側3車線)もある厚別通りの存在が大きく、どちらかといえば車中心の生活者向けです。西友厚別店、トライアル厚別店をはじめ、自動車販売店など郊外型の店舗が多くあります。
◇上野幌エリア
厚別南の一部、や青葉町の一部、上野幌地区は、緩やかな起伏の地形で緑豊かな住宅街です。牧場跡に作られた公園や自然の地形を生かした緑地などが豊富に残されています。国道274号沿いや清田区平岡に接する場所にスーパーや飲食店が集まっています。
◇もみじ台エリア
「団地萌え」といわれるほど、荘厳な風景を作り出している古い市営住宅の団地群があり、高齢化が最も進んだエリアです。地域の拠点となるショッピングセンター1か所以外に商業施設は極めて少ないですが、近年、用途地域の変更が行われるなど、新たな街づくりに動き出しています。
極めて個人的な見解として
手稲区と比較されやすい厚別区
小樽に近い「手稲区」、江別・千歳に近い「厚別区」
一人暮らしなら札幌市中心部に近い豊平区や白石区に住みたい人は多くても、住宅(戸建てorマンション)を購入して家族で住もうと考えている人にとっては、様々な条件を考慮して郊外地に近い立地で物件を探す人が多いと思います。
そのような人たちが札幌市内で「厚別区」と比較するなら、JR線と地下鉄が通っているという共通点がある「手稲区」があげられるでしょうか。
「手稲区」は小樽市や石狩市に近く、「厚別区」は江別市や恵庭市・千歳方面に近いという違いがあります。
車の渋滞が無い厚別区
筆者個人的には、札幌市中心部に行きやすいという条件が同じであれば、空知方面や千歳方面の郊外地が近い「厚別区」を選択します。小樽・石狩方面のように渋滞に巻き込まれずに休日を過ごせるという点がポイント高いと思います。
江別・北広島・恵庭も含めた圏域の利点
そして、不動産価格(主に土地)は、札幌市内から一歩でも外(他市)に出ただけで格段に安くなります。そこで、厚別区内の物件で折り合いが付けられなかった場合は、江別市や北広島市、恵庭市などに住まいを求める人も多いと思います。
江別市も北広島市もJR札幌駅まで快速で20分以内です(野幌駅と北広市駅がともに16分)。そういう意味では、「厚別区+アルファ」という選択肢がある厚別区方面の魅力は大きいと思います。
現実的に住宅を購入するとなると
当たり前の話ですが、同じ厚別区内でも駅に近いか、近所にショッピングモール・スーパーマーケットがあるかどうかなどの条件で、利便性は大きく異なります。
そして、気になるのはやはり不動産価格ですね。利便性にほぼ比例するように不動産価格に差が出ます。
近年は札幌市内の不動産に手が届かずに周辺の市町村に人が流れ出る現象も起きています。やはり「札幌ブランド」は強力で、“札幌市内”というだけで周囲よりも価格が高いのです。
仮に、厚別区内で住宅を購入するとなると、平均的な年収の世帯でしたら、中古物件を狙うのが良いでしょうか。
「もしも私なら」~駅チカの中古マンション編
筆者の個人的志向で考えると、ごく平均的な年収の世帯を想定すると、大谷地駅か厚別駅近くの古めのマンションをリノベーションして購入するのも一つの手かと思います。
新築だと、近年は3LDKの間取りで、もはや2000万円代はありません。3000万円代~4000万円代が相場です。その点、中古だと築20~30年を探せば、1000万円代から探すことができますね。
大谷地駅や厚別駅近くで探す理由は、まず酒飲みの筆者にとっては、公共交通機関が使いやすいことを優先させたいからです。そうなると購入できそうなのは、やはり中古。リノベーションすれば満足度は上がるでしょう。
厚別駅前は若干さびれていますがJR函館本線の厚別駅とJR千歳線の新札幌駅の両方が徒歩圏内です。地下鉄新さっぽろ駅も利用できます。
大谷地駅周辺は、ショッピングモールの横のサイクリングロードを人々が行き交い、清潔感のある明るい雰囲気が生活に潤いを与えてくれそうです。
それとも、中古マンションなら新札幌駅近くも可能?探してみる価値はありそうです。
「もしも私なら」~新築の戸建ては可能?編
やはり厚別区内で戸建ての新築住宅を得ようとすると、それなりの価格になってしまいます。ごく平均的な年収だと若いうちにローンを組まないとなかなか手がでませんね。
厚別区内の土地の相場を見てみましょう。
【厚別区内の平均坪単価】
・厚別中央/27~40万円 →当然手が出ない
・大谷地東/32万円
・厚別南/25万円
・大谷地西/23万円
・厚別東/20~23万円
・上野幌/20~23万円
・厚別北/18~23万円 →ギリギリ
・厚別西/15~18万円
・もみじ台/12~16万円
※参考:ウチノカチ
厚別区内で土地価格が安いのは、駅から遠いもみじ台エリアと厚別西ですが、それにしても、なかなか手ごわいです。
札幌から一歩出るとお手頃価格
札幌市内は、やっぱり高いか・・・と思いつつお隣の江別市や北広島市に目をやるとJR野幌駅まで徒歩5~10分の野幌松並町で10万円/坪、JR大麻駅前の文京台東町も10万円/坪、JR北広島駅まで徒歩5~10分の共栄町で9万円/坪という破格!
※参考:ウチノカチ
新築戸建てを求めようとすると、庶民感覚ではおのずと江別市や北広島市に目を向けざるを得ないのです。
さて、かなり長い記事となってしまいましたが、少しは参考になったでしょうか。気まぐれで追記することがあると思いますので、たまに当記事をチェックしていただけると幸いです。
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