この記事では、“分かりづらい”、“迷ってしまう”という新札幌の街をポジティブにとらえて楽しもうという趣旨で解説します。(2024.06.08記)
新札幌ダンジョンの魅力を再発見
新札幌の分かりづらさを、ゲームなどに登場する迷路状の構造物「ダンジョン」になぞらえて、新札幌の建物群が「新札幌ダンジョン」と呼ばれています。
“迷う”のはネガティブなイメージでとらえられがちですが、逆にその複雑さを一種のアドベンチャーとして楽しんだり、新しい発見に導いたりと、ポジティブに考え評価しようという潮流もあります。
代表的な事例として、大阪の梅田地下街が挙げられるでしょう。この「梅田ダンジョン」を知った上で、「新札幌ダンジョン」について考えてみましょう。
梅田ダンジョンとは
都市の地下に広がる「迷宮=ダンジョン」と聞くと、有名なのは大阪の梅田ダンジョンでしょう。
梅田ダンジョンは、大阪市北区梅田エリアに広がる広大かつ複雑な地下街の総称です。
このエリアにはJR大阪駅、阪急梅田駅、阪神梅田駅、大阪メトロ梅田駅などが集まり、各駅を結ぶ地下通路や商業施設がネットワークのように張り巡らされています。
階段やスロープ、斜めの通路も多く地下1階なのか地下2階なのかも分からなくなるほどで、まさに「迷宮」。
これは設計として失敗なのか?という議論もありますが、しかし、このややこしさは今や魅力として活用される時代となり、実際に「リアル脱出ゲーム」や「ウォーキングツアー」などが実施されいて、訪れる度に新しい発見ができる場所として親しまれています。
【参照】
●「梅田ダンジョン」でなぜ迷う? 東西南北5つの駅と高速移動する“大阪パワー”に負けないために 2024/05/25(AERA)
●大阪最大級の迷宮「梅田ダンジョン」、梅田地下街を攻略しよう 2023/05/23(WITH YOU)
●東京にも負けない国内屈指の「ダンジョン駅」大阪・梅田、攻略法は 2024/03/12(マイナビニュース)
●大阪駅「梅田ダンジョン」の利用者あるあるとは?2023年以降もさらに拡大して複雑化/LIMO/2023.07.16 /執筆者成瀬 亜希子
●「梅田ダンジョン」でなぜ迷う? 東西南北5つの駅と高速移動する“大阪パワー”に負けないために 2024/05/25
新札幌ダンジョン
さて、ここ北海道の札幌市にも、知る人ぞ知る「新札幌ダンジョン」が存在します。
梅田ほどの規模はありませんが、初めて訪れた人は必ず迷うと言われています。
1973年のJR新札幌駅の開業以降、商業施設が増築されるたびに、連絡通路が増え、次第に“迷宮化”していきました。
自然形成された街のように愛着を育む
ビルとビルの間は、どの階でも繋がっているわけではありません。JR新札幌駅を挟んでいるDuo-1とDuo-2の連絡通路は地下1階と地上5階にあります。
サンピアザとDuo-2を繋ぐ2階の屋外通路には、「アーク西通り」、「アーク中央通り」、地下には「グリーン通り」、「オレンジ通り」などと通路に個別の名称があります。
新札幌駅周辺の敷地は高低差があるため、地下1階と地上1階の区別がつきづらい箇所があります。
屋内駐車場からは、近道として使える屋外階段があったり、バスターミナルへも複数の行き方があります。
これらの要素は、商業ビルというよりは、ある意味、自然に形成された街のようです。
そんな街だからこそ、愛着が育まれる可能性を秘めています。
場所ごとの個性が際立つように、風景の違いを意識した整備が進むんでいくとすれば、「私はあの辺りのゾーンが馴染む」とか、「あのエリアはレトロで良いよね」などと、愛着が育まれる土壌となっていくのではないでしょうか。
【展望その1】景観づくりとしての整備
通常、街の風景というのは、建物それぞれの個性や、木々や自然が織りなす風景、山や川など、視覚的に識別できる要素によって人は迷わず歩けます。
しかし、屋内の場合、風景の差別化がしづらいため、迷ってしまうのです。
商業施設としての一体感は大切ですが、普通の街の風景のように、連続性の中に風景のグラデーションを付けていくのも良いのではないでしょうか。
たとえば、BiVi方面が紫色の色合いが中心だとして、新札幌駅に近づくにつれ次第に青色になりDuo-2でグリーンに、サンピアザで黄色になり、カテプリでオレンジ色に近づく。そして、高低差は色の濃さでイメージを変える、とか。
たとえば、光の広場に近づくほど植栽の緑が増えていく、タクシー乗り場に行くほど煉瓦の壁が増えるとか・・・。
そんな連続性の中に違いを意識できる色合いで屋内風景を形成すると、感覚的に場所を認識できるのではないでしょうか。
【展望その2】ナビゲーション機能を広告に
スマホ等を使った何らかのナビゲーション機能を提供するという方法も考えられます。
スマホを目の前にかざすと、目的地までの経路をオーバーラップ表示するARナビゲーションを採用したとして、そこに利用者最適化された広告機能を埋め込むことができれば、新たな集客手法となるでしょう。
その機能を多くの人に使ってもらう前提条件は、“迷路のようで迷いやすい”、“場所が分かりづらい”という現状です。
分かりづらいからこそ、広告を見てもらうチャンスがある、集客ツールを使うチャンスがある、と考えれば、「新札幌ダンジョン」は利点になるはずです。
新札幌ダンジョンは、その「わかりづらさ」が魅力です。
現状が「わかりづらい」ということを前提として、どうしたら、もっと素敵な街になるのか、皆で考えてみたいですね。
●冬こそ楽しめる新札幌ダンジョン/note(こうへい)2023年12月13日(当サイト外)
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