札幌市とその周辺には3つの活断層があります。直下型地震の可能性は厚別区も例外ではありません。あらためてその可能性を考え、万が一への備えについて考えてみましょう。(2022.09.29 記)
特集:厚別区も例外ではない 札幌直下型地震の可能性を考える
この記事を書いているのは、2022年の9月下旬、何かと自然災害が多い季節が過ぎようとしています。
厚別区・新札幌に限った話ではもちろんありませんが、忘れたころにやってくるのが自然災害。災害に備える意識を忘れないためにも、今回は、札幌における直下型地震の可能性について考えてみます。
2018年ブラックアウトを思い出した2022年9月の台風
2022年9月6日から7日早朝にかけて台風14号の接近により北海道でも強い暴風雨となりました。
思い起こせば、2018年の胆振東部地震の直前にも暴風による倒木被害などが発生していたことから、嫌な予感がした方も少なくないと思います。
筆者は、すぐに勤務先に向かい対応に追われていたため、当ブログでは厚別区・新札幌界隈における被害状況等についてお伝えすることができませんでしたが、地元店舗等における炊き出し等の支援についていくつかご紹介させていただき、そのことも思い出していた2022年9月でありました。
【関連リンク】
●震災後の新札幌で出会った“神対応”まとめ_ピロス、イオン、中ちゃん、ホクノー【札幌市厚別区】/2018年11月11日
●2018年9月9日イオン新さっぽろ店に登場した“シャリだけの握り寿司”【札幌市厚別区】/2018年9月11日
筆者の家族は、ホテルエミシア札幌で配られていたオニギリに助けられ、溶けた冷凍食品をオカズに急場をしのいだものでした。
その後、ポータブルストーブやカセットコンロ、家庭用バッテリーなどを購入し、万が一への備えを整えています。
2018年と似たようなタイミングで台風が訪れた今年の9月でしたが、まずは嫌な予感が当たらずにホッとしたところです。しかし、これから寒い季節を迎えるにあたり、防災への備えは忘れないようにしたいものです。
札幌圏には3つの活断層がある
札幌市の直下には、東から野幌断層、月寒断層、西札幌断層という3つの活断層があります。

画像出典財界さっぽろ
これら3つの活断層による直下型地震が札幌市内を襲った場合には、震度7になるような非常に強い揺れが札幌市を襲う可能性が危惧されています。
このことについては、2022年6月30日放送のSTV「どさんこワイド」で、詳しく解説されており、Youtubeチャンネル「STVニュース北海道」で視聴することができます。
「どさんこワイド」での解説によると、月寒断層による直下型地震の場合の最大深度7の場合の被害想定では、死者が夏場で約360人、冬場は4,900とされており、冬季の場合には凍死などにより13倍の死者が発生すると予想されているとのことです。
なお、札幌市内では北側の泥炭地層が他の地域より揺れが大きくなる傾向がありますが、厚別区内では、厚別北や厚別西エリアが後背湿地と呼ばれる地盤であるため、揺れが大きくなる可能性があります。
参考リンク:地盤データと地震予測(札幌市厚別区)
実際に発生した直下型地震(札幌市清田区)

画像出典札幌市
2010月には、清田区真栄付近を震源とする直下型地震が発生し、地盤が弱い北広島大曲地区や震源のすぐそばでは、震度4~5弱に達したと推測されています。
札幌市公式サイトに掲載されている資料によると、1834年(天保5年)に震度6弱の地震が発生しており、これは月寒断層などの活動による直下型地震と考えられています。
リンク:平成22年12月2日石狩地方中部で発生した地震について(札幌市)
なお、財界さっぽろオンラインの2020年9月5日掲載記事によると、西札幌断層や野幌丘陵断層帯が震源となった地震でも、月寒断層に近い規模の被害が発生すると予想されているとのことです。
頂いた恩を忘れず、万が一に備え、これからも厚別区・新札幌で楽しく暮らせますように
2018年の胆振東部地震とブラックアウトの際には、狼狽する私たちに対し、炊き出しや充電スポット、避難スペースの提供などの支援をしてくださった飲食店や店舗、機転を利かせて販売を続けた食料品店、電気・ガス・水道の復旧にあたった事業者・市役所の皆さんなどから、温かく頼もしい助けをいただきました。
これからも、いつ何が起きるかわかりません。他力本願にならずに、それぞれが災害への備えをすることによって災害による影響を小さくすることができます。
今一度、どんな備えが必要なのか改めて考えてみましょう。
リンク:災害に備える(札幌市)
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