かつて日本国内で流行っていたＳＮＳの１つに「mixi」というのがあります。
その「mixi」上にあったコミュニティ「【Love is 新札幌】」で「新札幌のベンチ」というスレッドがありました。もう10数年も前のことです。
そのスレッド上で表現された当時の若者たちの心の一端をご紹介します。
※mixiアカウントをお持ちの方は現在でも閲覧することができます。
舞台となった新札幌駅タクシー乗り場前のベンチ群
2006年「新札幌駅のベンチ」というスレッド
最初の書き込みはコレです。※投稿者名は削除しました。また、日付は一部伏せてあります。
2006年●月●日
新札幌駅の階段を降りて、タクシー乗り場の所にずらっと並んでる木のベンチ
家に篭りたくない時に私は夜中によくあそこに座ってます。
なんだったら棲み家です。
そこで、暇な時あそこで集って語りましょう。
「今暇だからあのベンチ行かない？」的なノリで。
そうは言っても、いきなり知らない同士が顔合わせて会話が始まるとは思えません。
[205]
2007年●月●日
呼びかけて誰も集まらないのがザラなベンチ。
もうただの報告になってるよね！
というのが常だったようです。
10年以上前のその時、新札幌のベンチに何が宿っていたのか
スレッド主が意図したか意図しなかったか分かりませんが“座りました報告”が中心となってしまったようです。
それでもなお、皆がこのベンチ群を、何か心の拠り所のようにして語りたがるのはどうしてでしょう。
このコミュニティに集まる人が、「今日、ベンチに座りましたよ」と報告するスレッドには、いったい何が存在したのでしょうか。
「ふるさと愛」？、「ワクワク感」？、それとも「寂しさ」？、「空虚感」？
スポンサーリンク
一人で座るベンチから何が見えたのか
[213]
2007年●月●日
ただいまベンチで路頭に迷ってます。ホストらしき男が女性に声をかけてます。
女性もまんざらじゃない感じです。なんか哀しいです
こんな書き込みが現実を現していました。
単に“ちょっと疲れたから座ってみた”だけなのに、急に回りが気になったり・・・。そして何だか自分が取り残されたような錯覚に陥る。
[210]
2007年09月●日
最近ベンチに座ってない気がします。いや、うん。
座らなくても支障ないんだけどさ。
何となくね、何となく。
[229]
2007年11月●日
もう今年もベンチの季節が終わりましたね。
こう書くと何か物悲しい気持ちになる辺り
ベンチの存在の大きさに気づかされます。
[232]
2007年12月●日
この時期のベンチはツライですよねー。
今年最後のベンチ、明日辺り行って来ようかな！
ついに“ベンチ”オフ会が開催された模様
[49]
2006年11月●日
明日１８日（土曜）の２０時に新札幌のベンチに召集かけまーす。
来れる人は自由に来てください。
来る人は念のため書き込みを！
スレッドをよく読むと、本当に集まったらしいです。おそらく10名以内の規模だったと推測されます。
若者たちの心のすき間を埋めたベンチの存在
2006年から2007年の年末にかけてのmixiのコミュニティ【Love is 新札幌】からの引用でしたが、ベンチをテーマに何気ない若者たち（当時）のこれらのやり取り。ベンチのある場所って、何かドラマが生まれるような・・・自分をドラマの１シーンのように客観的に見ようとしてみると、生きることの苦しみ・悲しみが少し和らいだのかもしれません。
出展・引用／mixiコミュニティ【Love is 新札幌】のスレッド「新札幌駅のベンチ」
【関連記事】
●「新札幌のベンチ」インデックス（もくじ）ページ＿新札幌のベンチ記事一覧【札幌市厚別区】
スポンサーリンク
コメント